土地家屋調査士が行う様々な業務を紹介します

土地家屋調査士は様々な業務を行いますが、それらの多くは次のような作業の組合せによって構成されています。

資料調査
法務局や市町村役場、道路管理者等に出向き、書類や図面等を中心に調査します。
料金は調査する書面等の種類や敷地の筆数などによって計算されます。
現地調査
事前に現地の状況を調査したり、敷地の境界や隣接地等の状況を調査します。
料金は現地調査を行う回数や確認を要する筆界の数などによって計算されます。
測量業務
敷地や建物の面積を測量したり、敷地の境界点や引照点等の測量をします。
料金は測量する面積や境界の数などによって計算されます。
境界標埋設
現地の状況に合わせ、コンクリート杭やプラスチック杭、金属標や鋲等を設置します。
料金は設置する境界標の種類と本数などによって計算されます。
立会業務
敷地の隣接地権者や道路管理者に現地に来てもらい、境界等の確認を行います。
料金は確認する境界の種類とその数などによって計算されます。
書類作成
各種証明書や図面等、土地家屋調査士の業務には様々な書類作成が伴います。さらに、関係者の押印も必要になります。
料金は作成する書面の種類とその葉数、押印の数などによって計算されます。
申請業務
各種登記の申請や、地図訂正の申出等を行います。
料金は申請の種類やその件数などによって計算されます。

▼土地家屋調査士が窓口となって行う基本的な業務

土地家屋調査士が窓口となって行う基本的な業務を紹介します。業務によっては、土地家屋調査士以外の資格者の業務が伴いますが、そのような場合でも土地家屋調査士が窓口となって業務を進めることができます。

現況測量
土地や建物の売買契約、建物を建築するときの確認申請、開発許可申請などを行うときに必要です。
境界や地盤の高さを測量したり、建物の位置や上下水道等の位置、構造物の種類などの調査を行い、現況測量図を作成します。
境界標埋設
土地の売買契約を結ぶときや、塀などの構作物を築造する場合には、境界標が必要です。
境界標がない場合は、法務局や道路管理者(県、市役所等)で調査した結果に基づき測量し、境界標を埋設しなければなりません。隣接地の所有者および道路管理者の立会も必要です。
土地境界確定
土地を分割したり、開発許可申請をする場合等には、土地取引の安全性を図るため、正しい境界を記し、関係者の押印をもらった境界確定図の作成が必要です。
境界標がない場合には、境界標を埋設しなければなりません。

土地分筆登記
土地の一部を売買する場合や、相続により土地を分割して分ける場合、共有名義の土地を分割して単有名義にする場合等のように、1つの土地を複数の土地に分割する手続きのことを「土地分筆登記」といいます。
地積測量や境界標埋設等の作業を伴います。
土地合筆登記
隣り合った土地を購入したので1つの土地にまとめたい場合など、複数の土地を1つの土地にまとめる手続きのことを「土地合筆登記」といいます。
通常土地合筆登記には測量業務を伴いません。
土地地目変更
登記

土地にはその目的に応じた地目が決められています。家が建っている土地ならば「宅地」、田んぼであれば「田」、畑であれば「畑」といった具合です。この地目に変更があった場合には1カ月以内に土地地目変更登記を行う必要があります。
場合によっては、農地転用の手続や分筆登記の手続を伴うこともあります。
土地地積更正
登記

土地を売買する時などに、登記簿に記載された面積と実際の土地の面積が異なる場合には土地地積更正登記をする必要があります。

建物表題登記
(建物の新築)

建物を新築した場合には、完成後1カ月以内に建物表題登記を行うことを義務づけられています。表題登記されないまま現存している建物についても同様です。
建物の位置や面積、所有者などの情報を登記簿に登録する手続きを行います。一戸建てとマンションなどの集合住宅では手続が違う場合があります。
表題変更登記
(建物の増築)

建物を増築したり一部を取り壊した場合には、工事完了から1カ月以内に建物の表題変更登記を行うことを義務づけられています。
登記簿の内容を、現状と同じにする手続きを行います。
建物滅失登記
(取り壊し)

建物を取壊したり火災で焼失した場合は、1カ月以内に建物の滅失登記を行うことを義務づけられています。
建物滅失登記の手続はわりと簡単ですので、自分で申請するのも良いでしょう。

狭あい道路
拡幅協議

建物を建築する場合、敷地が、4m以上の道路に2m以上接している事が必要ですが、現状の道路巾が4m未満でも敷地と道路の境界線を敷地の方へ後退させれば、建てる事ができます。
隣接地、対抗地の所有者と協議をして、道路中心杭、道路の元巾杭、後退杭を埋設し、狭あい協議の申請書を提出します。
狭あい協議の申請代理は行政書士の業務です。
道路位置指定
の申請手続

土地の分譲や建売住宅を販売する時、もとの敷地を小さく分割することがありますが、その分割した敷地が道路に接していないと建物を建てることができませんので、新しく道路(私道)を造り接するようにする必要があります。
その私道を建築基準法上の道路として知事や市町村長に認めてもらうことを「道路位置指定」といいます。この指定を受けた私道(位置指定道路)に適法に接している敷地であれば、建物を建てることが可能です。
位置指定道路の申請代理は行政書士の業務です。
道路の乗り
入れ申請

住宅や車庫の新築に伴い道路の法面を埋め立てたり、道路からの車の乗り入れ施設を設けたい場合など、道路に関する工事の必要が生じた場合は承認を得なければなりません。これを道路法第24条の承認工事といい、必ず申請して承認を得ることが必要です。
道路法第24条施行承認の申請代理は行政書士の業務です。
用途廃止
払下手続

道路法や河川法といった法律が適用されない、里道、水路、普通河川などに使用されている土地(法定外公共用財産)で、公共の機能を失った国有地は、国から買い取ることができます。
隣接地、対抗地の所有者と協議して払下の申請をします。国有地の管理者の立会いも必要です。
用途廃止払下手続の申請代理は行政書士の業務です。
農地転用手続
登記簿の地目が田または畑(農地)になっている土地に家を建てたり、農地以外の用地にする場合には、農業委員会に届出または許可申請の手続きが必要です。
この手続を行わないで行った行為は農地法違反となり、県知事から工事の中止や現状回復を命ぜられることがあります。
市街化区域内農地と市街化調整区域内農地では手続が異なります。
農地転用手続の申請代理は行政書士の業務です。
開発行為
許可申請

主に建築物等を建築する目的で土地の区画を変えたり、切土・盛土などの造成をおこなって形質を変更したり、あるいは、一定面積を超える土地を宅地として整備し分譲したい場合は、法律(都市計画法)によって事前に、知事(政令市は市長)の許可を受けなければなりません。
開発行為許可の申請代理は行政書士の業務です。

▼主な登記の流れ

土地家屋調査士が行う、主な登記の流れを掲載しますので参考にしてください。

土地測量分筆登記
相談→受託→法務局等資料調査→現地調査→事前仮測量→立会依頼→立会→測量→境界標埋設→図面作成→承認印受領→登記申請→成果簿作成→登記済証受領→納品
必要期間は通常3ヶ月程度要します。立会業務と隣接地権者の承認印がスムーズに進めば、最大1ヶ月ぐらい短縮できる場合もありますが、スムーズでない場合はさらに期間を要します。測量そのものは数日で終わりますが、依頼者の見えない部分で法律的な判断や関係者との協議、必要な申請期間等で時間を要します。
この後、所有権移転登記する場合は1週間ぐらいさらに必要になります。
ですから、どの土地家屋調査士でも同じように業務処理には最低限の時間を必要としますので、ご相談される場合はできるだけ早く着手できるように、期間的余裕を計算に入れて、ご相談いただきたいと思います。

建物登記(新築)
受託→法務局閲覧調査→建物現地調査→申請書類作成→表題登記申請→登記済証受領→所有権保存登記申請(司法書士)→登記済権利証受領→抵当権設定登記申請→登記済権利証受領→納品
必要期間は通常1ヶ月程度です。銀行の融資手続のスピードで前後します

公共嘱託登記土地家屋調査士協会に所属している土地家屋調査士であれば、官公署等、役所が発注する公共嘱託登記業務にも対応できます。

官公署等の嘱託登記(分筆→所有権移転)
事前相談→法務局等閲覧調査→現地調査→見積→受託→立ち会い→調査測量→図面作成→関係者押印受領→法務局へ登記嘱託→登記済受領→所有権移転登記(司法書士)→登記済受領→成果簿作成→納品
境界立ち会いと測量の伴う登記業務は、通常2〜3ヶ月を要します。


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